国動協会長(平成24-25年度)挨拶

国立大学法人動物実験施設協議会 会長
金沢大学 学際科学実験センター センター長
浅野 雅秀

第38回国立大学法人動物実験施設協議会(以下「国動協」と略す)総会において,平成24-25年度の国動協会長に選出されました金沢大学の浅野です。浦野前会長のあとを引き継ぎ,微力ながら国動協の発展に力を尽くすつもりですので,これから2年間よろしくお願いします。

国動協は、1974年の創立以来、会員相互の緊密な連絡と協力により、国立大学法人における動物実験の精度と水準の向上を図り、実験動物の飼養保管と動物実験の適正化を進め、医学・薬学・生物学等の生命科学における教育、研究の推進に努めてきました。国動協は2012年現在で61の機関が加盟しており、動物実験施設の諸活動における相互協力の推進と関連事項に関しての必要な調査などの事業を行っています。また、それぞれの機関には施設長あるいはセンター長、専任教員、技術職員、事務職員、非常勤職員などが配置されており、動物実験施設の管理運営、教育、研究そして社会貢献を柱にした活動を活発に展開しています。

今日、バイオリソースとしての実験動物の開発・保存・供給体制の整備、データベースの構築、各種の動物実験に関連した技術の開発等により、ポストゲノム研究や再生医学研究などの先端的生命科学を取り巻く研究環境は充実してきました。同時に、各大学等においては、動物実験や実験動物に関する規制を整備するために、近年制定あるいは改正された多くの法令や省庁基準、特に「動物の愛護及び管理に関する法律」と「実験動物の飼養及び保管並びに苦痛の軽減に関する基準」を踏まえて、2006年6月に文部科学省から告示された「研究機関等における動物実験等の実施に関する基本指針」及び日本学術会議が策定した「動物実験の適正な実施に向けたガイドライン」に従い、学長(機関の長)の責務の下に機関内規程を制定し、動物実験委員会を設置しています。我が国の実験動物と動物実験については、各大学等が責任をもって適切に自主管理するために、大学等ごとに制定した機関内規程に基づいて組織された動物実験委員会が、動物実験実施者や飼養者に対して教育訓練を行い、動物実験施設を調査し、動物実験計画を審査し、調査や審査の結果を学長に報告します。すなわち、動物実験はこれらの手続を経て、学長の承認を得た後に実施される仕組みを構築して実施しています。さらにこれらの自主管理方式を透明化するために、動物実験の実施状況等や自己点検・評価の結果に関しては、各大学等のホームページ等で情報公開するとともに、2009年から開始した国動協と公私立大学実験動物施設協議会の合同の相互検証プログラムによる相互検証(外部評価)も順調に進んでいます。以上のように、我々は動物実験について適切に自主管理しながら、社会的理解の下で適正に実施することにより、生命科学の発展に寄与する努力を続けているところです。

近年の医学・生命科学研究の進歩はめざましく、なかでも動物個体を用いた研究の必要性はさらに高まっており、このような研究分野における動物実験施設の役割は極めて重要になっています。今後、国動協はわが国の大学等における動物実験の適正な実施とそれらを通じた関連分野の研究推進のために、日本学術会議・国立大学医学部長会議・日本実験動物学会・公私立大学実験動物施設協議会等の関連団体との連携を深めながら、先進的に展開していく考えでおります。