動物実験関連の法規等について

動物の愛護及び管理に関する法律

1973年に制定された「動物の保護及び管理に関する法律」は、1999年に一度見直されて「動物の愛護及び管理に関する法律」(動物愛護管理法)に改正されました。その時は実験動物に関連した条文は改正されませんでしたが、施行後5年を目途に必要に応じて見直すことが記されました。その後、環境省の所管のもとに実験動物に関連した条文についても見直され、2005年6月22日に改正(2006年6月1日施行)されました。その主たる改正点は、第41条の中の、「動物を科学上の利用に供する場合の方法、事後措置等」の部分であって、この法律改正で初めて実験動物の愛護に関する理念であるいわゆる3Rが盛り込まれました。すなわち、「動物を科学上の利用に供する場合には、科学上の利用の目的を達することができる範囲において」の後に、一つ目の改正ポイントとして、「できる限り動物を供する方法に代わり得るものを利用すること」(Replacement)、そして二つ目の改正ポイントとして、「できる限りその利用に供される動物の数を少なくすること」(Reduction)が新たに盛り込まれ、二つのRが新しく登場しました。三つ目のRである「できる限り動物に苦痛を与えないこと」(Refinement)については以前から盛り込まれており、この法律改正で動物実験の3Rがそろい踏みしました。また、2012年9月5日にはさらに法律の改正が行われ、動物の健康及び安全の保持等に関わる環境の確保について言及するとともに、罰則が強化されました。その検討の際には動物実験に関わる部分についても多くの議論が行われ、今後検討を続けることとされています。


実験動物の飼養及び保管並びに苦痛の軽減に関する基準

1980年に制定された「実験動物の飼養及び保管等に関する基準」は、2006年4月28日に、環境省の所管のもとに「実験動物の飼養及び保管並びに苦痛の軽減に関する基準」(以下「実験動物基準」と略す)に改正され、3Rの原則を踏まえつつも特に実験動物の福祉に関する基準を中心にして定められました。更に2013年8月30日に改正された「平成25年環境省告示第84号」では、本基準及び本基準に即した指針の遵守状況についての点検とその結果の公表、当該点検結果についての外部検証を可能な限り行うことが記載されました。


文部科学省等から告示された「動物実験等の実施に関する基本指針

動物愛護管理法の施行を踏まえ、各研究機関における動物実験等の適正な実施に資するために、文部科学省は2006年6月1日に、「研究機関等における動物実験等の実施に関する基本指針」(以下「基本指針」と略す)を、文部科学省告示第71号として告示しました。さらに、厚生労働省及び農林水産省からも、ほぼ同様の内容で、同じ日に、それぞれごとに基本指針を告示しました。これらはいずれも、動物実験を各機関ごとに適正に自主管理していくために、各省庁単位で基本指針を定めたもので、例えば文部科学省が制定したそれについてみれば、各研究機関の長である学長が新たに対応する主な事項として、(1)動物実験委員会の設置、(2)機関内規程の策定、(3)教育訓練等の実施、(4)自己点検・評価、(5)情報公開をあげました。また、研究機関等における動物実験の実施について、すなわち機関内規程の策定、動物実験計画の承認、動物実験計画の履行の結果の把握に関しては、学長が最終責任を有するとしました。


日本学術会議が制定した「動物実験の適正な実施に向けたガイドライン

文部科学省や厚生労働省が取りまとめた基本指針を踏まえて、両省は日本学術会議に対して、各研究機関が自ら制定する動物実験等に関する規程、すなわち機関内規程を整備するに際してモデルとなる共通ガイドラインの作成を依頼しました。これを受けて、日本学術会議は2006年6月1日に「動物実験の適正な実施に向けたガイドライン」(以下「ガイドライン」と略す)を作成しました。


文部科学省からの「研究機関等における動物実験等の実施に関する基本指針の施行について」通知

平成18年6月1日付けで、各国公私立大学長などの各機関の長に宛てて、文部科学省研究振興局長名で「研究機関等における動物実験等の実施に関する基本指針の施行について」が通知されました(18文科振第97号)。そこには次のような内容が示されています。

この度、動物愛護管理法の施行等を踏まえ、各研究機関における動物実験等の適正な実施に資するため、基本指針を告示しました。各研究機関の長におかれましては、本指針を関係者にご周知いただくとともに、本指針において研究機関等の長の責務とされている機関内規程の策定及び動物実験委員会の設置などについて、適切に対処していただきますようお願いします。


国立大学法人動物実験施設協議会から提示された「機関内規程」のひな形

前述の文部科学省研究振興局長名で各国公私立大学長などに宛てて出された通知に従い、各研究機関は機関内規程を可及的すみやかに作成する必要が生じました。そこで、国立大学医学部長会議は国動協に対して、機関内規程のひな形作成を依頼しました。これを受けて、国動協は文部科学省から告示された基本指針を骨格にして、動物愛護管理法、実験動物基準を踏まえて、さらに日本学術会議のガイドラインを参考にして機関内規程のひな形[DOC]を作成し、平成18年9月中旬に国立大学医学部長会議に提示しました。機関内規程については、本ホームページ「国動協勧告・報告等」の中の「機関内規程の作成」にも掲載しています。


環境省から告示された「動物の愛護及び管理に関する施策を総合的に推進するための基本的な指針」(動物愛護管理基本指針)

動物愛護管理基本指針は動物愛護管理法の規定に基づき2006年10月31日に策定され、動物の愛護及び管理に関する行政の基本的方向性及び中長期的な目標を明確化し、計画的かつ統一的な施策の遂行等を目的としています。都道府県等は本指針に即し、地域の実情に応じて「動物愛護管理推進計画」を策定することとされています。この指針は2013年8月30日に改正され、関係機関等は、施策別の取組が2023年度までにその実施が図られるように努めることとしています。実験動物に関して講ずべき施策として、1) 関係省庁、団体等と連携しつつ、「3Rの原則」や実験動物の飼養保管等基準の周知が、当該基準の解説書の作成等を通して効果的かつ効率的に行われるようにするとともに、実験動物に関する国際的な規制の動向や科学的知見に関する情報を収集すること、2) 国は、実験動物の飼養保管等基準の遵守状況について、緊急時に対応するための計画作成状況も含め、定期的な実態把握を行うことを定めています。従って動物実験施設ごとに本指針の施策並びに地域の動物愛護管理推進計画を踏まえた対応が必要になります。


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