会長挨拶
国動協会長(2026-2027年度)挨拶
国立大学法人動物実験施設協議会 会長
北海道大学大学院獣医学研究院
森松 正美
第52回国立大学法人動物実験施設協議会(国動協)総会(主催校:福井大学ライフサイエンス支援センター生物資源部門)におきまして、2026-2027年度の国動協会長に選出されました北海道大学の森松正美でございます。三浦竜一前会長の素晴らしい功績を引き継ぎ、会員の皆様のご協力を賜りながら、本協議会のさらなる発展に貢献させていただきたいと考えております。微力ではございますが、2年間の任期の間、どうぞよろしくお願い申し上げます。
国動協は、1974年の国立大学動物実験施設長会議の創設以来、会員施設相互の緊密な連絡と協力により、大学等における動物実験の精度と水準の向上を図り、実験動物の飼養保管と動物実験の適正化を進め、医学・薬学・生物学等生命科学における教育および研究の推進に寄与してまいりました。現在では、会員施設の施設長、専任教員、技術職員、事務職員、非常勤職員等が職域や専門性を越えて相互に連携しながら活動を続けております。
生命科学の発展において、実験動物は生命現象や生命活動を解き明かすとともに、人や動物の健康維持に強く関わる、なくてはならない存在です。動物実験は、科学上の目的と必要性の十分な検討と、最大限の動物福祉への配慮の上で計画され、高い精度・再現性・信頼性のあるデータが生み出されるよう慎重に実施されます。また、我が国が定着させてきた機関管理体制の下、自己点検・評価、情報公開、および第三者による外部検証を通じて、動物実験の適正性と透明性を広く社会に示していくことは、私たちの重要な責務です。
動物実験の基本原則である3Rsについて、近年、世界的に動物実験代替法を取り入れる動きが加速しており、科学研究におけるその評価と応用への取り組みが強く求められています。今回の第52回総会に併せて開催された懇談会におきましても、「動物実験代替法の現状と課題」をメインテーマに掲げ、手術模型を用いた教育やデジタル技術、新しいモデル生物の可能性などについて活発な議論が行われました。私たちは、こうした新しい代替技術を積極的に評価・導入しながらも、科学としての精度と信頼性を担保し、次の時代の動物実験およびそのあり方を見据えて進んでいかなければなりません。
一方で、近年の経費高騰は教育・研究を大きく圧迫しており、動物実験の未来を左右する深刻な課題となっています。私たちはこれらの多様な課題に対し、会員相互の緊密な連絡と情報共有をさらに密にし、活発な議論を通じて解決を目指す国動協でありたいと考えております。
国動協は、我が国の大学等における動物実験の適正な実施と関連分野の研究推進のために、公私立大学実験動物施設協議会、厚生労働省関係研究機関動物実験施設協議会をはじめ、日本学術会議、日本実験動物学会並びに関連学会等とさらなる連携を深めながら、実験動物の飼養保管と動物実験の実施に関わる立場として、その適正性と妥当性、必要性を社会へ向けて発信してまいります。
我が国における生命科学の発展と科学競争力の強化に寄与すべく、次の時代に向けて一歩一歩着実に進んでまいります。会員の皆様、そして関係各位の温かいご支援とご協力を賜りますよう、心よりお願い申し上げます。
